副業のはじめ方

怪しい副業の見分け方|狙われるのは副業ではなく「探している状態」

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「副業 怪しい」で検索した時点で、たぶん答えは半分出ています。

何かが引っかかっている。でもそれが何なのかを言葉にできないから、確かめようがない。そして、うまい話に見えるほうの気持ちも、同じくらい強い。だから検索する。

その状態はよく分かります。私は副業を四つ渡り歩いて、四つとも続きませんでした。せどり、トレカ投資、FX、ブログ。コロナ禍で収入が減り、物価が上がるなかで生活は苦しく、借金もあります。「何とかしないといけない」という気持ちだけは、人一倍持っていました。

その状態のときに何が起きるかというと、うまい話が、うまい話に見えなくなります。正しい話に見えるんです。これが一番怖いところで、判断力が落ちているという自覚が持てません。

なので、この記事では二つのことを書きます。前半は「怪しい副業に共通する7つのサイン」。後半は、それより大事なことです——見分けるべきなのは相手ではなく、自分がいまどの状態にいるかという話をします。

手口は毎年変わります。でも狙われる側の状態は、何十年も変わっていません。

目次

怪しい副業に共通する7つのサイン

まず実用的なところから。次の7つは、どれか一つでも当てはまったら立ち止まる材料になります。

①始める前に、こちらがお金を払う構造になっている

一番分かりやすいサインです。登録料、教材費、システム利用料、サポート費。名前は何であれ、仕事を始める前に自分の側からお金が出ていくなら、それは仕事ではなく買い物です。

普通の仕事は、働いた側にお金が入ります。方向が逆になっているものは、その時点で別の何かだと考えたほうがいいです。

②「誰でも」「絶対」「今だけ」が揃っている

一つだけなら広告表現の範囲です。三つ揃うと性質が変わります。

「誰でも」は再現性の話、「絶対」は結果の保証、「今だけ」は考える時間を奪う仕掛けです。この三つが同時に出てくるとき、伝えたいのは商品の中身ではなく、判断を早くさせることのほうです。

③仕事の中身より先に、稼げる金額の話が出てくる

「月30万円」「日給2万円」が先に来て、何をするのかは後回し、あるいは最後まで出てこない。

まともな仕事の説明は、作業内容から始まります。金額が先に来るのは、中身では選んでもらえないという自覚がある場合が多いです。

④SNSのDMから、LINEなど閉じた場所へ移そうとする

国民生活センターも、SNSの広告やDMで接触したあと、別のアプリのやり取りへ誘導されるという流れを、トラブルの典型として挙げています(参考:儲け話に関するトラブルにご注意!)。

場所を移す理由は単純で、公開されている場所には残したくないからです。誰でも見られる場所でできない説明は、たいてい書けない内容を含んでいます。

⑤具体的な作業内容が、最後まで説明されない

「スマホ一台で」「スキマ時間に」「専用ツールを使うだけ」。これらは全部、作業内容を言っていません

やることが説明できないのは、説明すると人が離れるからか、そもそも作業が存在しないかのどちらかです。自分が一日何をするのか、口に出して言えないなら、まだ判断する材料が足りていません。

⑥断ろうとすると「今だけ」「あなただけ」で引き留める

これは相手の性質が出る場面なので、わざと使える見分け方です。

迷っていると伝えたとき、「そうですよね、よく考えてください」と返ってくるか、「今日を逃すと」「特別に」と返ってくるか。後者なら、その相手にとって大事なのはこちらの判断ではなく、こちらが判断しないことです。

⑦借入やクレジット決済を勧めてくる

これだけは、他の6つと同列に置きません。ここが出たら例外なく引き返してください。

「今お金がなくても大丈夫」「稼いで返せる」「学生ローンなら通る」。この提案が出た時点で、相手はこちらが払えないことを分かったうえで、払わせる方法を探しているということです。

私は借金があります。ギャンブルで作ったものではなく、生活のための借入が少しずつ膨らんでいった結果です。最初は数万円の不足を埋めるつもりでした。それが翌月の返済で足りなくなって、また借りる。返すために借りる形になると、そこから先は自分の意思ではあまり止まりません。滑り落ちる仕組みのほうが、人の意志より強いというのが、実際に落ちてみた側の実感です。

だから、副業を始めるために借りるという話には、他のどのサインよりも強く警戒してください。うまくいかなかったとき、失うのは副業の時間ではなく、生活のほうです。

怪しい副業の7つのサイン

  1. 始める前に、こちらがお金を払う構造
  2. 「誰でも」「絶対」「今だけ」が揃っている
  3. 仕事の中身より先に、金額の話が出てくる
  4. SNSのDMから、閉じた場所へ移そうとする
  5. 具体的な作業内容が最後まで説明されない
  6. 断ろうとすると引き留めてくる
  7. 借入やクレジット決済を勧めてくる ←ここは例外なく引き返す

見分ける前に|狙われるのは副業ではなく「探している状態」

ここからが本題です。

上の7つは、知っていれば役に立ちます。ただ、これを覚えても防ぎきれません。理由は単純で、手口は毎年変わるからです。数年前に流行った型と今の型は違いますし、来年はまた違う形になっています。

変わらないものが一つだけあります。狙われる側の状態です。

お金に余裕がない時ほど、うまい話は正しく見える

お金に困っているときの判断は、余裕があるときの判断と別物になります。

私は20代のころ、生活費が足りない月をリボ払いと借入でしのいでいました。そのときに何を考えていたかというと、「この状況を一発で変える方法があるはずだ」ということです。地道に働いて少しずつ返す、という選択肢が、頭では分かっていても現実的に思えませんでした。返済が毎月あるので、地道な方法では追いつかない計算になるからです。

追いつかない計算になっている人には、追いつく話しか届きません。

これが「うまい話が正しく見える」の中身です。判断力が落ちているのではなく、置かれた状況のほうが、うまい話を必要としている。だから騙される人が愚かだという話には、私はどうしてもなりません。私はそちら側にいました。

「探し続けている状態」が一番狙われやすい

もう一つ、自分で気づいていなかった状態があります。探し続けている状態です。

私は副業を四つ渡り歩きました。一つがうまくいかないと、次を探す。その繰り返しです。当時は行動的だと思っていましたが、外から見ると分かりやすい状態にいました。「いま副業を探している人」として、広告にもSNSにも、そう認識される状態です。

副業の情報を集めれば集めるほど、副業の広告が表示されるようになります。そして探している期間が長いほど、「まだ見つかっていない」という焦りが積み上がります。探している時間の長さが、そのまま判断のゆるさになる。ここが一番狙われやすいところです。

手口は変わるが、狙われる状態は変わらない

まとめると、こうなります。

見分けるべきものが二つあります。相手と、自分です。相手は毎年形を変えるので、覚えた特徴はいずれ古くなります。自分の状態は変わりません。お金に余裕がなく、長く探し続けていて、早く結果がほしい。この三つが揃っているときは、どんな話でも一度は保留にしたほうがいいです。

自分の状態を見る3つの点検

  • いま、お金の余裕がない状態が続いていないか
  • どのくらいの期間、副業を「探している」状態が続いているか
  • 「早く結果がほしい」が判断の理由になっていないか

三つ揃っているときは、その日は決めない。翌日まで持ち越すだけで判断は変わります。

【体験談】報酬5万円の案件を、このサイトで扱わないことにした話

ここで、自分の側の話を書きます。

このサイトは、記事の中で紹介したサービスから申し込みがあると、私に報酬が入る仕組みで運営しています。冒頭に書いているPR表記はそのことです。だから読者からすると、私も「勧めてくる側」の一人です。ここを隠したまま怪しい副業の話をするのは、フェアではないと思っています。

サイトを作り始めたころ、紹介できる案件を探していました。そのなかに、報酬が5万円の講座案件がありました。

この数字がどのくらいかというと、いま私がこのサイトで紹介しているサービスは、申し込み1件で数百円から1,500円ほどです。桁が二つ違います。1件決まれば、それだけで数か月分に相当する額でした。

販売ページを読んで、扱わないことに決めました。

理由を正確に書くと、「詐欺だと判断したから」ではありません。そんな判断ができる立場にはいません。決め手になったのは、この記事を読んだ人がこれを買って、私はそのあと平気でいられるかという一点です。答えが出せませんでした。だから外しました。

このとき分かったことがあります。報酬が高く設定されている商品は、売る側から見て「売りにくい」ということです。

紹介料は、売りやすい商品ほど安くて済みます。無料で登録できるサービスに高い報酬を用意する必要はありません。逆に、高額で、内容が伝わりにくく、買ってもらうのに強い言葉が必要な商品ほど、紹介する人への報酬を高くしないと誰も扱ってくれません。

つまり、あなたに熱心に勧めてくる人には、熱心に勧めるだけの理由があるということです。その理由が商品の良さである場合もありますし、報酬の高さである場合もあります。外からは見分けがつきません。

だから、勧められたときに見るべきなのは「この人は信用できるか」ではありません。この人には、これを勧める理由がどれだけあるかです。人柄は判断材料になりません。私も、感じよく書こうとしています。

判断に迷ったときの3つの質問

7つのサインを全部覚えるのは大変なので、迷ったときに使える質問を3つに絞りました。どれも、その場で自分に聞けます。

①お金は、どちらからどちらへ流れるか

仕事なら、働いた側に入ります。自分から出ていくなら、それは買い物です。

買い物が悪いわけではありません。ただ、買い物なら「稼げるか」ではなく「その値段の価値があるか」で判断すべきです。この二つはまったく別の判断で、後者に切り替えるだけで冷静になれます。

②その作業を、自分の言葉で他人に説明できるか

「一日何をするの?」と聞かれて、答えられるかどうかです。

「スマホで簡単な作業を」では答えになっていません。何を見て、何を入力して、誰に何を渡すのか。ここが言えないうちは、まだ判断する材料が足りていません。説明できないものに時間とお金を出さない。これだけで大半は避けられます。

③自分が断ったとき、相手は何を失うか

これが一番効きます。

断って相手が困るなら、相手にとってこちらは「客」です。断っても相手が困らないなら、それは普通の仕事の入り口です。引き留めの強さは、相手がこちらから得ようとしているものの大きさに比例します。

一度「少し考えます」と言ってみて、返ってきた反応を見る。これは相手の性質を測る道具として、かなり正確に働きます。

安全側の副業に共通すること

避け方の話ばかりだと動けなくなるので、逆側も書いておきます。安全側にあるものには、はっきりした共通点があります。

始める前にお金がかからない

登録が無料で、使い始めるのに費用がかからない。これが一番大きい条件です。

初期費用がゼロなら、合わなかったときに失うのは時間だけです。やめても損しない状態で始めるというのは、怪しい副業を避ける方法であると同時に、副業を続けるための条件でもあります。私が四つ潰してきて言えるのは、初期費用をかけたものほど、やめる判断が遅れて傷が深くなるということです。

作業の中身が先に分かる

何をするのかが、始める前に具体的に分かる。文章を書く、商品を撮影する、データを入力する。作業の名前が言えるものです。

金額の話は後から出てきます。順番が「作業→報酬」になっているものは、少なくとも中身で選んでもらう気があるということです。

やめても失うものがない

契約期間の縛りがない、解約に費用がかからない、続けなくても請求が来ない。

この三つが揃っていれば、合わなかったときに引き返せます。引き返せる状態で始めることが、いちばん確実な自衛です。

安全側にあるものの3条件

  • 始める前にお金がかからない(合わなければ失うのは時間だけ)
  • 作業の中身が先に分かる(順番が「作業→報酬」になっている)
  • やめても失うものがない(期間の縛り・解約費用・継続請求がない)

この3つが揃っていれば、引き返せる状態で始められます

条件を満たす具体的な選択肢としては、自分のできることを商品にして売るスキル販売があります。登録も出品も無料で、在庫を持つ必要がなく、合わなければ出品を取り下げるだけで済みます。始め方は別の記事にまとめました。

副業そのものの選び方や、始めるまでの順番から整理したい場合は、こちらに全体をまとめています。

それでも迷ったら、公的な窓口に相談する

自分で判断しきれないときは、無理に判断しないでください。判断を代わりにやってくれる場所があります。

消費者ホットライン 188

局番なしの 188(いやや)にかけると、近くの消費生活センターにつながります。全国共通の窓口で、相談は無料です。

「まだ何もしていないけれど、これは大丈夫か」という段階でも相談できます。契約してしまってからでなくていい、というのは意外と知られていません。

すでにお金を払ってしまった場合も相談できる

ここを書いていない記事が多いので、はっきり書いておきます。払ってしまったあとでも相談できます。

契約の形によっては、期間内であれば解約できる制度が使える場合があります。ただし条件は個別の状況によって変わるので、この記事では「できる」とも「できない」とも書きません。そこを判断するのが188の役割です。

一人で調べて結論を出そうとすると、たいてい「もう遅い」と思い込んで動けなくなります。私も含めて、その状態の人が一番損をします。

国民生活センターは、実際に寄せられた相談をもとにした注意喚起も公開しています。手口の形を知っておくだけでも役に立ちます。

よくある質問

有料の教材やスクールは、全部怪しいのですか

そんなことはありません。お金を払って学ぶこと自体は普通のことです。

見るべきなのは金額ではなく、中身が事前に分かるかどうかです。カリキュラム、期間、講師、解約条件が公開されていて、質問に具体的に答えが返ってくるなら、判断材料は揃っています。逆に、金額だけが分かっていて中身が分からないなら、高い安いに関係なく保留です。

初期費用がかかる副業は、やめたほうがいいですか

始めたばかりの時期については、そう思います。

理由は怪しいからではなく、続かないからです。私は初期費用をかけた副業ほど早く潰しています。取り返さないといけないという気持ちが先に立って、判断がおかしくなるからです。まず費用ゼロで始めて、収入が出てから必要な分だけお金をかける。この順番のほうが結果的に早いです。

友人や知人から誘われた場合はどうすればいいですか

判断の基準は変えないでください。相手が誰かは、中身の判断とは関係ありません。

ただし、断りにくさは確実に上がります。その場で答えないことです。「家族と相談する」「今月は決めない」で持ち帰る。相手が本当に良いものだと思って勧めているなら、持ち帰ることを止める理由がありません。止められたら、それが答えです。

一度お金を払ってしまいました。もう手遅れですか

手遅れかどうかを、一人で決めないでください。188に電話してください。

状況によって使える制度が変わるので、この記事では判断しません。ただ、相談した人と相談しなかった人では、その後の選択肢の数が変わります。

SNSで見かける副業の広告は、すべて怪しいのですか

広告そのものは普通の宣伝手段なので、出ていること自体は問題ありません。

見るのは中身です。この記事の7つのサインと3つの質問を当ててみてください。特に「作業内容を自分の言葉で説明できるか」で、ほとんどのものは判断がつきます。

まとめ|見分けるのは相手ではなく、自分の状態

長くなったので、持ち帰ってほしいことだけ残します。

  • 7つのサインのうち、⑦の「借入やクレジット決済を勧めてくる」だけは例外なく引き返す
  • 手口は毎年変わる。変わらないのは狙われる側の状態のほう
  • お金の余裕がない・長く探している・早く結果がほしいが揃っているときは、その日は決めない
  • 迷ったら3つの質問。お金の流れる向き / 作業を説明できるか / 断ったとき相手は何を失うか
  • 判断しきれないときは、判断しない。188に電話する

最後にもう一度書いておきます。うまい話に引っかかるのは、判断力が弱いからではありません。追いつかない計算をしている人には、追いつく話しか届かないからです。私がそうでした。

だとすれば、いちばん効く自衛は、知識を増やすことよりも、焦らなくていい形で副業を始めることだと思っています。初期費用ゼロで、やめても損しない形で始めておけば、うまい話が来たときに保留にできます。保留にできる状態そのものが、防御になります。

-副業のはじめ方